空間と愛着。

2階教室は完成しました。
まだモノが少なく寂しい感じが
私はしているのですが、
人によってどう感じるかは
分からないところです。

1階が完成して教室移転を初めて
やった時も同じ感覚でしたが、
モノが増えてくると、
やがて生徒たちには愛着が湧き、
自由に過ごせるようになりました。

これは何でなのかな?と疑問に思い、
よく考えてみました。



空白の環境には、
ルールがないから、
行動様式を確立しにくいのかな?と。



1階教室は、生徒たちは皆
どこに何の資料や本があり、
ゴミ箱の位置を把握し、
引き出しの中に、書きなぐり用の
裏紙が敷き詰められ、
時間を測るタイマーがあることを
知っています。
もちろん何時か知りたければ
時計の位置も瞬時に見極めるほど
何度も時計を見てきましたし、
つまり、教室を、立体的に
把握して使用しているんですよね。
1人で学習している時の行動を見ていても、
環境下で何をしてよいか?を理解し、
使いこなしてみんな学習しています。
細かく観察すればするほど、
みんなよく「教室」を理解しています。
1階は特に1から組み立てて
実は結果こだわって
机選びから何からやったので、
行動が凄く構造的、立体的です。



教育環境のデザインは、生徒の
行動様式を形成します。

物を一つ増やせば、
生徒たちはそれを自分で解釈し、
どう動くかをそれぞれに理解し、
決定してゆきます。

たとえば、1階教室の椅子に
クッションをつけただけで、
早めに塾に到着して小テスト対策をする
生徒が20%以上増えました。
面白いでしょう?
眼前に起こる現象は全て
研究対象なんですよ。
それを褒めたら、他の生徒の
早めの到着率がさらに10%
増えましたし、小テストの
得点率も向上しました。
クッション増やして褒めただけです。

例えば、小さいゴミ箱と大きなゴミ袋を
用意すると、生徒の90%は大きな
大きなゴミ袋の方にゴミを入れます。
面白いでしょう?
これは何故なのかはまだ
わかりませんが。笑笑

例えば、めちゃめちゃ綺麗に
トイレを掃除したら、
翌日のトイレの状況が
とても綺麗なまま保たれます。
面白いでしょう?


人は無意識に行動を環境に
制御されているのです。
面白いくらいに。笑



これは、幼稚園児の指導感覚を見ていても
同じことなのですが、ある程度、
適当に環境を組み上げても、
生徒たちはそれをシステム化して
捉えてゆくのです。

しかし、そこに狙いやモデルがあれば、
生徒たちの自習すら制御できる、と
私は確信に至りました。


さて、塾では初めてオープンスペースではなく
個別ブースの自習室を導入しました。
結構当たり前のように導入されている
ブースですが、周辺環境の作り方によって
これは自主学習のあり方を変えて、
生徒の学び方自体を変化させる
きっかけにもなると思いました。

初めてのことなのですが、
いつも、教育理念に基づき、
あるべき学習者のモデルを考え、
そのために、それを実現するために、
「あったらいいな」を叶えるように
教室設計をしてきました。

これからもそれは変わりません。


自習室は、まさにまだ真っ新な状態。
これから、何を用意するかで、
2階の展開性は変わってくるでしょう。


私にとっては、私の前に起こる
全てが、検証と改善の対象ですし、
些細な変化も見逃さず、
というか、見逃せず?
考えてしまいます。
何が理由でそうなったのか?を
考える余地がある、楽しい
研究でもあるのです。


生徒たちも、同じ感覚の子が育ち、
同じ感覚で高校生になった時に
語らえると楽しいなと思います。
まだ私に観察、制御されているうちは、
メタが育ちきっていません。

メタ的に環境を理解し、
もっとこうしてほしい、
もっと環境をこうしてほしい、みたいな
要求がで始めたならば、
安心して見守れます。


ということで、2階は完成しましたが、
とりあえずはできたというだけで、
自習室自体にも成長の余地があり、
これからです。

色々要求があれば、私も検証しますし、
利用状況や学びの様子を見ながら
私も改善点を思考します。


悪くはなりません。
考え続けるというのは、
失敗も確率的に含みながらも、
変化し続ける過程に過ぎませんから。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ