今日、中1のある子と
世界地理について
話す機会がありまして。
テストまでに間に合わないから
一気に授業が進んで
ちんぷんかんぷんだった、と。
まあ、そういうこともありますから、
個人で学ぶ方法を持つことは
とても重要なのです。
安易に学校批判などしても
仕方がありません。
多様な生徒がおり、多様な
先生がおり、それぞれに
考え方がありますから。
さて、今日はアジア州の
地形と気候のページについて
解説して欲しいとのことで、
まあ、こういうことを言われた時、
相手によってどう話すかは
結構考えるのですが、
その子は私の秘蔵っ子というか、
社会科については特に、
私の発想の仕方、私の視点、
考える切り口、を丁寧に
身につけてきた子でした。
だから、語り方はこうでした。
「教科書の世界地理の地形の
ページを見た時にまず、
どこに山があり、どこに川があり、
どこに平野があるかということを
確認しましょう。歴史的に見ても、
川と平野は文明の拠点です。
教科書には、覚えるべき
地形が太字でなく書かれますが、
実はそれこそが基本です。
なぜ、わざわざその地形が
紹介されるのか、一つ一つ
つぶさに説明できないのならば、
調べるべきです。
わからなければ、なぜなのか
私に質問してもいいです。
写真も見てみるべきでしょう。
小学生の時の資料同様、
教科書は意味を持って誰かが
記述をしているのです。
小学生の時に培った視点を
忘れないようにしてください。
出発点は地形です。」
そのあと、気候の話から
主要な農作物の話をし、
小学生の時に学んだ歴史的知見を
バックグラウンドに、産業についても
触れて行きました。
過去の知識や考え方が
ダイナミックに交差する話に、
久々に深く関心が向いたようで、
その後もよくテキストを
見直していました。
世界地理、というか、地理全般、
思考の手順が曖昧な子は特に
中途入塾の子に多いです。
地形、気候、農業、漁業、工業、
商業、情報交通と学び進め、
世界地理にはそこに民族問題や
歴史的な背景まで深く複合する、
本気でやろうとすると
結構高度な地政学にまで
到達するわけですが、
やっぱ考え方が整わないと、
暗記、暗記、暗記…と全く
頭を使わずに学んでしまうんです。
最初に問うべきは「なぜ?」の
はずなのに、それが完全に
おきざりにされて、地理が
単なる記号論に
終始したものになっている
ケースも散見されます。
教科書は本当によくできています。
指導者によっては、独自性を
いかして面白い指導をどんどん
組み立てることができるので、
私は毎週3時間とか4時間もかけて
指導できる先生たちが
羨ましくもあります。
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