シャープペンシルの芯。

 準備講座の数学の際、計算ミスが気になる子のノートを見ると、字が薄いのです。字の筆跡を見ていても、滑るようにペン先が動き、字がニョロつくのが気になっていました。

 

「芯は何使ってる?」

「HBです。」

「先生の持っているシャープペンシルの芯と交換しよう。字は、見やすく書くのが大切で、もっと濃く、ノートに引っかかるように柔らかい芯を使った方が字を書きやすいし、計算ミスが絶対に減るよ。」

 

 そして、芯を2本あげて、Bで書き始めました。

 

「本当!計算ミスが0になった!」

 

 

 実はこんな簡単な話ではなく、計算ミスが0になるまでにはややプロセスがありました。まず、途中式を書くこと。これをせずに暗算で、「こんな感じだろう!」ってぽんと答えを出してしまったり、計算のメモをささっと小さく書いて字を読み間違えてしまったり、従来から急ぐとそういう傾向がある子でしたので、

 

「数学っぽいノートを作ろう!●●さんのノートはどうも算数っぽいから、先生が今から数学っぽい書き方を教えるから真似してみてね。すげー数学できる人っぽいノートに少しずつ変わっていくからね。」

 

 数学っぽいノートなんてないのですが、なんとなくカッコよく言っておくというのが、子どもに変化を求める時のコツのようなものです。そして、仕上げにシャープペンシルの話をし、私の芯をシャープペンシルに入れて使うことで、完全に私にシンクロさせようと試みたのです。色々合間ってうまい形に働いた指導の好例でした。

 

 

 もともと数学的な素質があり、理解も速い子なので、左手をそっと添えるように基本指導を実施しています。割と暇で、準備講座という長い期間を使えるので、こう言った細々としたことも一層細かく指導し、中学の学習を軌道に乗せていく手はずを整えています。ちなみに、芯がHBであったことはさほどの問題ではないと思っています。解くのが、書くのが速すぎることと、省きすぎるのが原因となっていて、芯の変更はそういった要因の数々を意識的に削いでいくためのきっかけに過ぎないのです。

 


kojinkai

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