「社会って小学生からの積み上げなんですね。」

 中3の子がそう言ってました。中3の授業は、小5の授業の後に実施されるため、中3の大半は小5の授業を聞くことができます。そのため、私の授業に耳を傾けている生徒も多く、小学校の地理の授業がこんな感じで行われているんだということを改めて思い出しているようでした。

 

 私の社会の授業は、小学生には特に人気がありますが、中学生や高校生も自分の勉強をストップして聞き入っている子もいます。理由を重視した授業なので、扱う知識量は少ないのですが、それゆえによく原理が分かるようなのです。

 

 例えば地理の気候の授業。季節風の原理がわかると楽しいだろうなと思って、平気で小4でならう対流の原理を運用して中2の地学の内容を説明して、温帯で東岸の地域の風向について説明しますし、理解力が伴っていれば、これでもかっていうくらい楽しく授業を受けられる用意をしています。例えばインドなら?アメリカ東海岸なら?同じようにモンスーンが吹く地域の風向について、説明をしてもらいます。

 例えば工業の授業。これはいろいろ理由があるけど、基本的には金があって、人手が揃って、土地があって、交通の便が良い。これが第二次産業としての工業を成り立たせる要因の一つ。沿岸では重化学、内陸では組み立て、田舎では伝統工芸や軽工業などなど・・・これは一概に説明できないものもあるけど、一つ一つなぜそうなのかということを地形要因から読み取っていくのが面白い。

 

 しかし、あくまでも理由の連続に過ぎず、知識量は少ないので、今の小5には小6の夏休みには改めて膨大に地理の問題を解いてもらうことになります。

 

「知識は勝手にテキスト読んで付ければいいだろう。俺が説明するんじゃなくて、君たちが自分で学んで俺にいっぱい説明しなさい。そこまで俺に求めてもらっても困る。考える材料しか与えないよ。基本的な思考の仕方が大切なんだ。先生ならどう説明するか、それをイメージして学習してほしい。」

 

 いろいろ理由があるんだって気づけることが第一歩。小学社会の指導は、全ては教えないけど、基本原則の理解によって広がる知識が沢山ある。割と人々は効率的に物事を考えて過ごしている。そんなところにも想像を巡らせてみてほしい。

 


kojinkai

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