目に見える技術の進化。

4年の作文を見ていて、
やはりこの2学期間の取り組みは
生徒たちの文章力を向上させたと
思います。

文章が上手い言い回しに
なっているかという以前に、
適切な句読点を打てる、
繋ぎ言葉で、文相互の
接続関係が見える、
段落間の繋がりが明確である、
など、技術的な向上が
見られています。

夏休みはかなり補助が必要で、
200字くらい句読点なく書き続けた子も
いたんですよ。笑
一生懸命に書いていると
気づかずにそうなってしまう
こともあるのですが、
冬はそれがほとんどなかったですね。

今回もそうならば作文は
間に合わないだろうなと
ヒヤヒヤしながら臨みましたが、
早い子はすでに3枚目のまとめに
突入する用意が整いました。


今回感想文に苦戦しているのは、
すぐに結論を書いてしまう子たち。
文を膨らませる技術がまだ
身に付かず、すぐに文が
結論に向かってしまい、
途中で文が止まってしまいます。
というか、終わってしまうのです。

作文は、全体的な構想と、
自分の主張したい事柄の中で、
どんな具体経験をねじこんで
説得力を持たせるか?という
点にあります。

そして何より、
心から訴えたい何か!というのが
ないまま、優等生な表現を
追い求め、形式美を求めても
浅い作品しかできあがりません。
何かしらの魂の発露が
文から感じられなければ
評価されるような文には
なかなかなりえません。


書きたいことは何なのか?


作文という作品を、
オリジナル、自分だけのものとして
完成させてゆくプロセスの中で、
大切なものを引き出すのが
とても大変な子もいますが、
私はただ、子どもの内面を
引き出し、こんなことを書きたい!
書きたかった!としっくりくるような
ものを表現してもらえれば、
とりあえずは及第点かなと思ってます。


読んで、根拠や具体例を持って
述べる、というのは、難関大学の
小論文の中にも必要なことで、
考察や内省の浅い表現はすぐに
見抜かれていきます。
もれなく、難関大学の国語や
小論文に耐えうる子は、
内的世界が豊かであり、
それを表現する技術を持ちます。
もちろん知識的なうらづけも
確かにあるのですが。


単なる一課題、一経験で
終わらせないように、
保護者の方も、教え過ぎず、
子どもの内面を引き出せるように
問いかけては、何度も
読ませ、関連ある話題について
会話の場面に繰り出してみてください。

多少表現が下手でも、
内から出てきたものだけが本物ですし、
むしろ、内側にあるはずのものを
今まで出しきれていなかったと
見ることもできます。


失敗というのはありません、
思い通りにならなくとも、
子どもから引き出す面白さ、
日常の対話を大切になさり、
長い目で見て、子どもさんの
内的世界を外に表現してゆけるような
魅力的な人に育ててゆけるような
関わり方を、一緒にしてゆければ
いいなと思っています。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ