中学受験の算数をやる時に、
てんびん図というのを
用いることがあります。
これは、理科の世界ではてんびんの
左右のモーメントを計算し、
釣り合いを確かめる時に用い、
支点からの距離×重さで
示される公式で習います。
そしてこれは、左右の力の
均衡、すなわち平均化に等しいのです。
たとえば、これはそのまま小5の
平均の領域のほとんどの問題に
使うことができますし、
濃度の問題でも使うことができます。
今回は、別に使う必要もなく
この子たちは解いてしまいますが、
まあ一応中学受験をしたっていう
記念といいますか笑、
まあ確かに混ぜ合わせ系は
楽になりますので教えておきました。
比関連はもうかなりのところ
教え終わりました。
今年は珍しく予習シリーズを
全て教え終わる学年でした。
というか、この世代は
新版の予習シリーズで
初めて通しで学ぶ世代でした。
「困ったら比。同量を探す。
あるいは倍数関係を探す。」
「同量なら1:1。
120:120でも。
aがbの1.5倍なら、
3:2でもいいし、
150:100でもいい。とりあえず。
使いやすい数字なら
なんでもいい。」
「あとはいつも通り、
それが具体数であるかのように解く。」
この話を、算数が得意な子は
ほんとに「分かって」聞いてます。
今、小学生から教えてきて
弘学館に通っている生徒がいますが、
その子を教えている時にも
「ゴリ押し力半端ないね」って
笑いながら話してたのを思い出します。
ゴリ押し、というのは、
ある程度自分の中に正しさを
確信しないと無益に終わる
行動なのですが、その子は
どんなにめんどくさい解法を
使っても答えに導きます。
なぜそんなことが罷り通るか?
まず、計算力。
次に、基本の思考回路。
そして、量感覚の認知。
ゴリ押せるためには、
一般的に「困った時に
手順として何を試すか?」というのが
経験的に蓄積されている必要が
あるのです。
予習シリーズが比較的
優れていると思うのは、
その、「困った時の思考手順」を
学ばせるような作りに
なっている点にあります。
そして、量感覚。
これが本当大事です。一番育てたい力。
答えとして絶対不適な数を
平気で解答欄に書いてしまう場合は
結構重症であるケースが多く、
今後中学まで苦戦を強いられることを
覚悟して欲しいと思います。
この話でいうと、
たとえば、割合でかけると割るが
逆になる、みたいな子は間違いなく
量感覚が認知的に弱いか、
考え方を間違えたままこじらせたか、
いずれかということになります。
もっと具体的にいうと、
24の3分の2倍は、
といわれたときに、
24÷3=8
8×2=16
と解ける子はかなり多いです。
これは、経験的にほぼ全員
クリアしています。
しかし、それが、
24×2/3と同じものだと
正確に認知している子は
ビックリするほど少なくて、
隣にあったらかける、とか、
「○の□倍はかける」とか、
驚くほど適当なルールで
算数をやってる子が
いるんですよ!
「なんでかけると思ったの?」と
聞いてみても本質には
辿りつかないことが多いです。
「2/3倍で、倍だからかける」とか
平気で返答されることも
ありますからね。
全然分かってないじゃん、と。
ただ、小学生にとっては、
なんとかしようと思って編み出した
処世術のようなものでもあります。
確率的に正答しやすいパターンを
自分の中に構築しており、
正しく考えようなんて
思ってないとかいうこと
結構ありますからね。
そしてここは、小4の
小数や分数の仕組みから
5年生の算数への飛躍点でもあり、
ここの橋渡しがいかにきちんと
できるかが勝負の分かれ目なんです。
だから、受験は小5から、
できれば、小4からと言われる
所以にもなっています。
そして、ここがすっきりと
理解できるようになるまで
粘り強く作図して考える
ことが大切です。
今、5年算数がまさにその
過渡期にあり、最も重要な
局面を迎えています。
4年生にとっては1年後の出来事。
今の時期の算数は全て
来年に向けた布石です。
時間を大切にしながら、
問題と向き合ってください。
リターンは大きいです。
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