地理の面白さを話し始めるとキリがないですが、
特に小学生には毎週時間をかけて地理を
授業しているということもあり、
ここについては話をしておかなければいけません。
小学生の地理は問題集選びが
結構難しく、中学受験問題集などは
基本問題から練習問題への飛躍が大きく、
かといって標準版の問題集は教科書に
準じて進まないものもあったりして、
コアなどは典型例ですが、これで地理の
思考力がつくとは到底思えず、単元構成も
微妙であるとともに、単純暗記の
オンパレードのような問題集です。
理科はまあまあ良いと思うのですけど、
何を問われているのかわからない問題が
時々あるという点もネックなのです。
じゃあ教科書準拠版を使えば・・と思っても、
それはそれで簡単すぎて話にもなりません。
歴史は割とどの教材でも良さげですが、
とりわけ地理については何を使うか、
結構悩みの種でありました。
結論として、予習シリーズの4年下と5年上を
使用することになったということなのですが、
これが今年大ヒットし、こんなに地理って面白いんだ!という
言葉を小学生から引き出すことに成功しました。
今日は、自動車の生産台数に関するグラフが
テーマになっていました。
「生産台数1位は中国で、2400万台ほどの生産。
これって多いの?少ないの?」というのが
授業のテーマとなっていました。
生産台数は新規の生産に限られ、
中古車市場とか、人口とか、そういう点を
加味すれば見方それ自体が変わってくるもので、
そういう点を重点的にテーマとして挙げながら
意見を交わしてもらいます。
加えて、中国の資源の埋蔵状況とか、
経済発展の状況とかも話しながら、
生徒たちの時間は過ぎてゆきます。
私は、グラフを見た時に思考できる量とか、
地図を見た時に地形や産出される資源を提示し、
条件を整理して、どういう地域であって
何を得意分野とするだろうか、という仮説とか、
とにかく考える地理を生徒たちにはやってもらい、
知識として覚えることは、すべて終えた後のあと付で良いと
思って指導を行っています。
だから、思考は予習シリーズ、習得はウィンパス、
こんな住み分けも行っています。
附属生も多いですからね。
将来附属へ行きたいという子もいますから、
そういう点でもこういう形を取っています。
「先生の地理は時間いっぱいずっと考えさせられる。
だから、ずっと楽しくて、授業時間が終わっても
やってたいなって思う。」
今日も実はあと5分しかなくて、残りを喋るのに
10分かかると言いましたが、全員がその10分を
聞かせてほしいと言うので、指導を続行しました。
「6年生になったら歴史をすると思うけど、
多分自分は地理の方が好きだと思う。」
っていう小学生もいました。
「それはどうかな!!先生は歴史は
地理と同じくらい好きなんだよ。覚悟しなよ。
同じくらい面白いから選べなくするからね!」
ずっとずっと、理由の伴う、暗記ばかりでない
意義のある社会を学んでほしいという思いです。
今の6年生たちも歴史はかなり好きでやってまして、
地理ももう一回受け直したいと言うほどなのです。
社会は、理由を思考できるから楽しくなります。
ただ暗記だけすればいいとか言う次元でこの教科を
やってしまうには惜しいですし、理由を一つ一つ
考えようとする姿勢は、実は算数や理科をやるよりも
むしろニュースを見たり、グラフを見たりしながら
今自分が置かれた環境を理解する姿勢が生まれて、
将来に役立つものになると思っています。
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