迷ったら参照してもいい。

 真面目な子ほど、演習中に”謎の考える時間”が多いです。これはかなり非効率的だと言えます。人は誰だって何かを解いたり考えたりするときに、”本当にこれでいいのか?”と迷うことがあります。その時に、当てずっぽうでさっと答えを書いてしまって、解答を見て粛々と修正するのか、一度まとめや教科書を参照するのかで、結構違ってくるものです。

 

 できるだけ正しい知識を調べてアウトプットしないと、何が正しいのかボンヤリしてきて、輪郭が掴めなくなってきます。間違った知識でも何か書いてみる、っていうアウトプットは、はっきり言ってそこまでに至るプロセスに無駄があることが多く、実際はほとんど何も思考できていないことの方が多いのです。

 

 基本習得の反復の段階においては、積極的に様々な資料を参照しましょう。正確に調べようとしましょう。あるいは、質問を投げて会話をするようにしてください。間違っても、自分の世界に引きこもって、謎アウトプットをしないように心がけましょう。応用問題には、思考のエラーがもちろん出てくることでしょう。しかし、自分の持っている知識が確かなものであればこそ、ミスしたということに価値が生じてきます。基本を間違うという段階では、ミスに価値はありません。”間違っているかもしれない”という意識が疎かになっていたり、間違ってもいいという気持ちが生じていたり、そもそも調べるという概念が学習の中になかったり、いろんな理由において意味がないのです。

 

 リーサル・ウエポンについては今年度は何度も評価しました。問題の次のページには答えと解法が掲載されており、即座に正しい解答解説にアクセスできるという点でメリットがあり、もう迷ったらすぐにでも答えを見るくらいの参照性を誇っていました。だからこそ、正しい知識をアウトプットしようという意識が高くなり、計算が全く出来なかった子たちがそれを克服することができたのです。

 

 基本それ自体に迷いがあっては、学問は成り立たないのです。そして、基本習得段階で調べる意識がない場合は、どんなに網羅的に学習を行おうとしても結局は網羅的に迷いを残しながら進めるだけになります。何は習得すべきで、何は思考すべきか。問題集にはちゃんと、”基本”、”練習”、”発展”などとレベル分けがなされているでしょう。基本は、何も見なくても迷いなく即座に、反射的にアウトプットできる次元になければならない知識群です。練習は、概ね基本問題の習得ができていれば全て解ける問題です。エラーがあれば、見直して調べ直すくらいの学習が適切で、公立生であれば自学ノートにまとめ直して見て価値があるのはこのあたりの問題です。発展くらいになると、基本を習得できていても、エラーが生じかねない問題が揃っています。解説を見て2回くらい解いて納得できる問題でしょう。

 

 何を教えられたとしても、人には基本的な理解にエラーが生じがちです。すぐ調べて、すぐ納得して、さっさと周回して、それを自分の当たり前にしていく。基本問題においてはそういった学習を重視してもらいたいものです。

 


kojinkai

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