流行る、「リーサル・ウエポン」。

 パーリーピーポーの彼に周回を命じた、リーサル・ウエポン。もとい、「合格できる問題集」。超基本的なことしか掲載されておらず、答えは問題の次のページに掲載されている問題集。彼はこの問題集を2周3周することによって、基礎的な数学技術を身につけ、今は図形の証明問題の応用問題をずっと解き続けている。佐賀県でよく出題される方程式や規則性問題をクリアしたから、次は証明に入ったにすぎない。出題頻度の高い順に、あるいはクリアレベルの低い順に、淡々とやっているだけだ。

 

 彼の在籍校では、彼がこんなに伸びたことを奇跡だという人もいるらしい。自分が”これを何回も解いている”ということで数学担当の先生に伝えたところ、教室にその問題集のコピーが置かれるようになり、「リーサル・ウエポン」と命名されていろんな数学が苦手な生徒が解き始めたそうだ。

 

 彼は言う。「リーサル・ウエポンって塾で呼ばれてるからみんなにそう紹介しましたけど、その意味を分かってる人はほとんどいないと思いますけどね。”最終兵器”ってカッケーすよね。先生のネーミングセンスってすごいです。今学校で流行ってますよ。」って。

 

 問題集がどうこうっていう問題ではない。実際なんだっていいんだよ。超全てが苦手な子にとってみれば、簡単な問題だったらなんでもいいんだ。支配できるものが増えれば、必然解ける問題が増える。ただそれだけのことにすぎない。ただ、うちで命名したものが他の環境に影響を与え、そのネーミングまで流行っているって言うのが面白い。

 

 昨年の暮れから流行らせ始めたもんだけど、ここまで影響が出てくるとは思っていなかったね。市販されてる教材だからこそ、余計にその波があったんじゃないかな。受験生で問題集を検討している子には告げたいね。実力に合うものを徹底反復。それからしか自信は生まれないから。そして、何回も何回も反復すること。慣れる、っていうのが本当に大切なんだ。

 

 苦手な子は特に自分の思考に自信がない。だから、絶対的に信頼できる武器が要るんだ。そこからしか、反撃の糸口はつかめない。そういう意味では、受験勉強なんてゲーム感覚なんだよ。勝てない相手に勝つために、経験値を積むのみ。似たような攻撃に対しては、防具をつけ、特殊な効果を持つ武器を身につけるのみ。

 


kojinkai

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