小学生の課題感覚。

小学生は、好きだなと思うことは

とことん追加学習してくる。

 

きちんと学習に”余白”を残しておくことで、

それをちゃんと埋めてくる子がいる。

 

私は、指示した範囲でさえ

正確にやってくるということが難しいという

そんな前提に立っているから、

比較的抑えめに課題は出すけれど、

人の習慣というのはそういう時に

不思議と人に差をつける形で

発揮されてくるものだ。

 

 

今回は、漢字研究ノートの一例。

 

私は、音訓、書き順、画数、意味、用例の

5項目について調べるように指示している。

 

形式も完璧に初回授業で指示したし、

慣れるために3漢字までを一緒にやった。

 

しかし、現在いる8名の生徒のうち、

6名は1週目に関わらず最初の形式からずれている。

課題をやるのが直前になっている子や、

性格的に雑な子において、そうなっているのは

明白なのである。

 

ある子は、追加で部首名まで調べて来ている。

現資料では部首は形だけしか掲載されず、

本格的に部首名を書き記すためには

追加で別の資料にあたる必要がある。

それを、やっているのだ。

 

こうなって初めて、その子の

「課題が多い」という言葉と私の感覚が合致する。

ここまで丁寧にやるから、そういう言葉が

出て来たんだ、と。

多いっていうのは皆言うし、さらっと

流すのがいつもの指導なのだが、

その子のその言葉は決して怠惰からの

言葉ではないということが理解された。

 

ちなみにその子は言っていた。

「多いと思ったけど、それは相手が多いだけで、

一つ一つを見れば大したことがなかったし楽しかった!」と。

私はその子への評価をぐんと上げた。

 

 

非常によく喋る。

すでに週末の理社の課題についても言及があり、

「果物の品種について調べてみようと思ったけど、

まだ調べてない。なんとなく。

塾でやってもいいですか?」と。

私は「いいよ。」と言った。

そもそもこれは塾で調べて良いと指示している。

 

しかし、その子には今思い描く夢があって、

「将来そうありたいなら、様々な全国の

果物の品種とか、味とか、育つ条件とか、

あわよくば育てている人の名前まで、

いっぱい知っておいた方がいいよね。

もうネットもあるし、直接その人にメールしたり

電話したりっていうことも出来るんだよ。

ちょっと相手の時間を使ってしまうから

ご迷惑になるかもしれないっていうことも考えながら、

でも、自分の夢に向かってまっすぐでないといけない。

塾での真面目な勉強から少し離れた数十分の

積み重ねが、君の将来の夢を支えるといいね。」

と、私は常に言うようにしている。

 

職業に、尊いとか卑しいとかはない。

どの職業においても突き詰めればきっと

開ける未来があるのだから。

だから、今、今に興味を持ってほしい。

 

 

もちろん、これから生きていろんなことを学んでいく上で、

もっと他のことに興味を持つかもしれないし、

私は何かに限定されず、面白いことはなんでも話したい。

 

小学生に、”すべき論”を押し付けるのは早いのだ。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ