中1の子が成績表を持ってきてくれました。
順位の面では向上が見られました。
私が期末テストにおいてこの子に言ったのは
以下の言葉だけでした。
「先生が試験範囲はこれですって言った
その内容を確認し、やっておきなさいと書かれている
その内容に対して忠実に、全て丁寧に取り組んでください。」
書かれていることを通して先生の出題意図を理解し、
それに対応する形で反復演習をすることだけを
生徒には指示し、あとは自学してもらっただけです。
自習にもきていますが、基本的には放任しています。
教科書を借りたり、質問をしてきたら答えますが、
あとは静かに自習をしているだけです。
また、最近は課題の出題は次のようなものです。
「英語は毎日塾で配布されたプリントに従い、
英文の書き取りを英作文形式で実施すること。」
「数学は、ワークで問題を一通り解いてしまい、
間違えた問題は改めてノートに解き直すこと。」
「理科や社会は習ったらすぐワークで解き直し、
その日に習ったことを大切にしながら演習すること。
テスト前に近づいたら、学校ワークを納得できるまで
なんども解き直してみること。」
「国語は文法事項や漢字を中心に、知識事項をしっかりと
習得していくこと。」
あとは、これを自動的にその子が仕組みを作って
毎日の学習計画とすることを目標にしていました。
爆発的に成績が向上するというような学習方法では
ありませんが、地道にコツコツコツコツと努力をしていく
そういう学習は後に効いてくる学習です。
基本事項について分からないことを作らないということ、
そして、実力テストが次回は実施されますが、その範囲も
一緒に確認し、自分でどの領域を取り組まなければならないか
調べさせました。そして、行っていく内容を決定させ、
それが2週間単位でのその子の課題として組み込まれました。
自分で考えて取り組めるようになる学習習慣を付けてあげると、
あとはかなりの度合いで学習は自動化され、指導者は、そして生徒も
面倒な細々とした指示出しから自由化されます。
ここに到達しているのは、中1のこの子と中2の私立生、
そして、中3生たちになります。これは、成績の良し悪しでなく、
自分で考えているかどうかという視点になります。
中学生の指導は、指導者が何も言わなくても子どもたちが
学習の計画を立てられ、自動化し、質問にくる、
そういったことをお互いに効率化していくのが目標であり、
第一ステージとなる指導となります。
しかし、第二ステージの、私からの応用テーマ演習というのが
さらに存在し、あらゆる学習を自動的に生徒たちが
実現できるようになってくれば、当然次の次元の指導を
行っていく猶予も生まれます。最上位クラスの生徒には、
もはやこのような指導をしないともっと上の次元に
いけないという物理的な問題があり、まずは学年でも
最上位クラス(私立・附属で10位以内、公立では5位以内程度で、
しかも全教科が9割台に到達している状態)には
到達してもらう必要があります。
特に、現代文の分析法・記述の論理的解法といった高度な授業は
かなり余裕がないと優先順位の低い事柄となり、
長らく封印している授業の一つにもなります。
このような指導はかつて成穎のトップ3に入っていた子と、
成章の1位、2位を獲得していた子にしかやったことがありません。
まだ、3名にしか行ったことながない指導です。
そういう子たちは、その当時持っていた技術をさらに向上させ、
もうこれ以上はあるのか?と思われていたさらに上の次元を知り、
毎回の授業を心から楽しみにしてくれていました。
人から言われてやる学習というのは、いつも非効率です。
かといって、真っ白で何も指示されていない状態も
ただのカオスにすぎません。
まずこれ、次はこれ。終わったらこれ。詰めはこれ。
初手で必要な思考回路は、この段取りの力でしょう。
ここを整えてあげることが、中学生が自立していく第一歩であり、
成績向上は自己責任であるという自覚を持って、
向上させていくための手立てを自分で考えていくための
重要な視点となっています。
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