人を思う心。

11月度の中学生の育進社さんの国語は、

なんというか文章の選定にセンスがあった。

11月度を受けたのは中学2年生と3年生だが、

自分も一緒に解きながら色々考えさせられた。


特に印象に残っていたのは、

香山リカ氏の文章だった。


直近で、最近までお世話になっていた方が

若くして亡くなった。

つい先日までお話をしていた方で、

自分には実感が湧かなかったが、

何度か幼稚園や教会でお会いし、

その為人をよく心得ていたし、

あまり親しくない自分にもよくしてくださった。

深くは知らないが、優しい雰囲気の方で、

安心感を覚える方だった。


香山リカ氏の文章には、こう書かれていた。


「立会人にとっては良かれと思った言葉も、

当事者にとっては曲解して傷を深めるケースもある。

だから、柔らかく、相手が受け入れられるタイミングまで

待ってあげるような付き合い方が良い。」


自分にはまだその死を実感として

受け止められるだけの感覚が乏しく、

定型的な言葉ばかりが浮かんでしまって

とてもじゃないけど何かを言える立場になかった。

何を言っても自分の言葉でないように思ったからだ。

悲しいような、よく分からないような、

どうしようもなく、しかし寂しいような感覚に陥った。


こういう心理状況には、人に死に限らず

少なくない場面で出会うことがある。

人を思うというのも、難しいものだと

幾度となく出会ってきた場面を思い返しても

そうやって反芻する日々だ。

何も言えない自分など、消えてしまえば

いいと考えるほど思い悩むことだってある。

kojinkai

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