中学受験における4年生の位置付け。

中学受験は、「一般に4年生からスタートする」

というメッセージもネット上には飛び交っています。

今日は、そのことについて一言メッセージを

添えさせていただこうと思っています。



偏差値60位までの学校を目指す場合は、

4年生からスタートする進学塾カリキュラムに

乗せて学習する意味はほとんどないでしょう。

何もしてこなかった子でも、認識の力が育っていけば

5年生からスタートしたとしても、あっという間に

4年生の内容など頭に入ってゆきますし、

せっかく努力して手にした知識であっても、

後から追い抜かれて行く可能性があります。


4年生の受験向け教材は基本的に当該学年で

実施しようとすれば単なる先取りに過ぎないことも多く、

学校で習ってしまったり、ある程度成熟してしまえば

大したことのないレベルの問題が多く存在します。


ですから、無理をしなければ進学塾の4年教材を

こなせないような次元でしたら、4年の間にやっておくべき

事柄を間違えて捉えてしまっているかもしれません。



4年生の間にやっておくべきなのは、

本を読み、漢字を書いてボキャブラリーを増やすこと。

計算をすること。

そして、算数の文章題においては、増えるや減る、

多いや少ないなどの感覚に具体性を持つこと。

単位量の掛け算割り算や整数倍の意味をしっかり捉え、

単位を間違えずに表記できること。

小数や分数の仕組みを丁寧に理解できていること。

基礎的な数直線を使いこなせるようにすること。

個人的にはこんな感覚です。

そういう意味では、ほったらかすのも良くなく、

ある意味テコ入れは必要なケースもあります。


それでは遅いと思われる親御さんも多いかもしれませんが、

それは子どもさんの出来栄え、理解度によって

測ってもらうものであり、周囲の意見や

進学塾の一般論ではないのです。

私も進学塾での指導経験がありますが、

できない生徒にはとにかく知識注入を行って

なんとかできるように”させなければならない”意識が

働いてしまうもので、子どもの自発性が

置き去りになってしまうこともありました。

カリキュラムが第一であり、点数が伸びることが第一。

カリキュラムを遅らせるわけにはいかないのです。

それを、私は経験してきました。

子どもの気持ちががっつりついてきていれば

それも良い結果に結びつくこともあるかもしれませんが。


現に、基本計算の練度が緩かったり、

文章題の読み取りから立式までの間に不備があったり、

まさに”基本的なこと”が抜け落ちたまま

応用問題の解法を暗記してしまうようなケースも

そんなに少なくはなく、そこを補って行くことで

成績が上がっていく子もいるのです。



学習というのは、中学受験で終わるわけではなく、

長い時間をかけて大学受験、ひいてはその先の

考え方や知識を磨いていくものであります。


子どもが、分からないものを分かったに

変えていける喜びは、どんな圧力によって

ストレスによって可能になっていくのか、という

そのことだけが重要です。


人はストレスがあるから心が安定するものです。

心理学的には、ストレスはそういう位置付けのものでもあります。

しかし、大きすぎるストレスは子どもを押し殺します。

本来の学習の考え方とは異なる無益な方法をとったり、

サボる方法を身につけたり、言い訳を始めたりと、

悪影響すら出ることもあります。



なんにしても、4年生はある意味分岐点の学年なので、

親御さんもお悩みになることは多いと思いますが、

お子さんがあまりに出来すぎて、塾の指導の難易度が低すぎて

子どもが不満に思っている、という以外のケースでは、

正直この学年では無理をさせて進学塾のカリキュラムに

固執するブランド意識は不要かと思います。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ