先生の弾いてる曲弾いてあげる。

今日は珍しく一人でポツンと現れた学校帰りの生徒さん。

何をするわけでもなく、

「明日、ピアノの全国大会があるの。」と一言。


塾には電子ピアノが置いてあります。

ピアノがある塾なんて全国にどれくらいあるかな・・。

生徒たちの足元にも及ばないほど下手なので、

生徒の前で弾くのは気が引けますが、最近はやっと

慣れて、気兼ねなく弾けるようになりました。


緊張する気持ちを晴らすためだけに、

きっとやってきたのでしょうね。

私が弾いていたのは、”おやすみなさい”という曲。

生徒が「弾いてあげる」と言って、

さらっと弾いてくれました。

私は黙々と彼女が弾くのを聞き、

ただただその指の動きに見入ります。

これが、全国区のピアノか・・・と。


「あ、もうこんな時間!お母さんに怒られちゃう。

明日頑張りますね!さようなら!」


さっさと帰ってゆきましたが、

色々考えることが子どもなりにあるのでしょうね。

塾の場所が塾の場所なので、こういった生徒との

コミュニケーションというのも少なくはなくて。


その子にとっては微妙に遠回りな帰り道なので、

それなりに考えて塾の扉を開いたことと思います。


いろいろなことを同時進行で頑張る小学生は、

きっと大人が想像している以上に忙しく、

目まぐるしくいろいろなことを考えて行動しています。

そして、嫌々ではなく、全て大切なこととして捉え、

生きているのだということもよく伝わってきます。


イレギュラーな、日常的な生徒さんの姿に触れるにつけ、

こういった忙しい子たちの時間の一部を

私の授業に使ってくれ、それを価値あることだと

捉えてくれるということに重みを感じ、

一層頑張らなければならないと自覚したのでした。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ