「ちょっと黙ってて!集中できない!!」

 小4の暗算講座も、割り算へ突入。2桁÷1桁、3桁÷1桁の演算の高速化に勤めています。掛け算とは異なり、割り算は算数の数におけるセンスを磨くには打って付けの計算です。何か飛び抜けてこの計算が速くなる、という時には、”こうであろう”という予測と理屈、決断力が必要になります。

 

 4年生は、3桁÷1桁に猛烈に苦しみました。20問しかないのですが、普段最速で解く生徒も3分台からのスタート。私は40秒でしたので、生徒が文句をタラタラたれていました。

 

・先生は答えを知っているのではないのか。

・適当に書いてるのではないのか。 ・・・などなど

 

 しかし、問題はランダムで出題されるし、答えは合っているし、圧倒的な違いを思い知らされ、完膚なきまでにプライドをへし折る結果になりました。

 

 どうしても私のタイムに近づきたい、せめて1分台に到達したい、そう思って何度も何度もチャレンジをします。計算の正確さは見事ですが、どうしても2分台から抜けられないので、その子は相当イラついていました。

 

 私は生徒に言いました。

 

 「速くするために、速く書こうと思うのは間違いだよ。先生はゆっくり書いても1分30秒は堅い。速く書くんじゃない、速く考えるんだ。そのためには、どこを一番初めに見て、何を考えるか、最後に何を見て、どう結論づけるか、その一つ一つを丁寧に思い返しながら、自分の解き方を振り返らないといけない。何度速く書いても、考えるのが遅いならば、タイムは大きく変化したりしない。大きくタイムが変わるときは、君のものの見方が進化した時だ。何かきっかけをつかめるまで、チャレンジを続けてみよう。」

 

 計算強化トレーニングの第3弾は通分・約分です。これは5年の内容ですが、分数の単元がちょうどやってくる頃なので、この辺りを高速化していけば、次の学年ではほとんど計算は無双でしょう。ややペースを落とせば全て正答できるようになります。そのスピードは常人より早く、ハイレベルな授業においても計算の速さによって授業進度を保つことができます。

 

 やはり算数が苦手な子どもほど満遍なく割り算で苦戦する傾向がありますが、人との競争ではなく、自分のタイムを飛び抜けて速くする(授業時の最速タイムより20秒速くなれば進化したと認定してます)ことに興味を持ってくれることによって、それぞれの生徒が意欲を失わずに取り組んでくれています。

 

 面白かったのは、お父さんお母さんと同じくらいの速さで解けたよ!ということを報告してくれる生徒が多数いたことでした。お父様お母様においても、ご家庭で子どもが何かを乗り越えようとしている時に、かつてを思い出しながら全力で子どもの横で取り組んでくださり、その姿が隣にあるゆえに、生徒たちのモチベーションになっているんだろうということがよく分かります。今日も、

 

「お父さんとお母さん用にもう3枚ください!計算速いって言ってるけど、本当かどうか確かめないと!」

 

なんてことまで言ってしまう子も数名いました。笑 なかなかエグいことを考えるな・・・と笑ってしまいました。

 

 

 ただし、いつも言います。

 

「暗算はざっくり見積もるためのツールで、基本は筆算を丁寧にすることで解を求めていくことに変わりはありません。ただ、現在の一桁の積・商の暗算能力を高めることは、ひいては最も面倒な割り算の4桁÷2桁とか、5桁÷3桁とか、そういう計算の高速化につながっていくのです。商を立てる時は一つずつ。つまり、●桁×1桁を常に使います。だから、今の計算は掛け算と割り算の両方を速くし、それだけでなく大きな数の筆算を楽に考えていくために必要な計算特訓なのです。」

 

 普段使っていない脳みその部分をフル回転させて、今までにない力を開発していく生徒の努力の様を見つめるのは、新しい内容を指導してチャレンジしていく生徒を見るときとはまた違った景色があります。5年生が近づいてきましたね。この学年はほぼ全員んが低学年からのスタート組であり、叱られて涙目になるときもありましたが、しっかりついてくるガッツあるメンバーが揃いました。実に楽しみです。

 


kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ