子どもからの授業の題材の相談。

 タイトルではピンと来にくいですが、附属のあるクラスが「自分たちで授業をするんだ!」と盛り上がっていました。そこで、「一体どんな問題がいいかなー?」って相談がありましたので、一緒に考えてあげました。

 

 「一つは、知識がなくても解けること。一つは、具体的な操作を伴って解くもの。様々な答えが出てくる中で、本当のところはどうなるんだろう?って必死で考えながら、最後の瞬間に美しい規則性が見出されるようなもの、みたいなのが先生としてはおすすめだな。せっかく一回きりかもしれないけど、”授業”をするのだから、これみよがしに知識をひけらかすような問題じゃつまらない、それは指導じゃなくて自慢なんだ。そんな授業をしている人がもしいたとしたら、下手くそだなって思わないといけない。みんなの成長を考えて、みんなの意見を楽しみながら、最後の瞬間に繋げて行ってみんなでスゲー!ってなるようなものをいくつかある中で選んでみよう、と。」

 

 色々な問題を子どもに見せながら一番面白いと思ったものがあったようで、それを明日出題するそうです。その問題とは、直線の交点の数の問題でした。出題はこうです。

 

 「紙の上に10本の直線を引いて交わった点を数えると、最大何個になるか。」

 

 出題形式も工夫し、表を作って埋めていく形に誘導し、どんな決まりがあるのかをみんなで考えていくような形にしようという話になりました。

 

 「そもそも自分が答えが分からないと問題出せないよー・・・」

 

 って言ってたので、今日の授業内容はほとんど休憩みたいな単元でしたので、さっさと終わらせてそれに取り掛かったのです。そして、考え方を理解したその子の感動の表情は素晴らしかったです。明日授業をする予定の”指導者”なのにね、なんか自分で問題を解いちゃって感動してしまって、きっと明日みんなに出題する瞬間が楽しみで仕方ない様子でした。

 

 

 そう、授業っていうのは、知らない知識を適当にひけらかしてやるものではありません。私は”先輩”として相談を受け、この子を一瞬だけでもちゃんとした貴重な”指導者”体験をさせたいと思いました。そして、「自分が考えて感動した結果を、しっかりみんなに向けて、気持ちにして伝えるんだよ。」と。

 この子は、もしかしたら明日、その辺の下手な指導者よりも優れた”指導者”であるかもしれませんし、緊張や経験不足から苦い経験もするかもしれませんが、テーマは十分に優れたものを選べました。是非とも、楽しんで来てほしいものです。

 

 いい経験を学校でさせてもらっていますね。本当にいい先生に当たったものだと、大切な4年生の時期を全力で満喫できて羨ましいなと、そんなふうに思います。

 


kojinkai

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