記述で減点される一例として、並立の関係の見落としがあります。
「・・・。また、・・・。」
「・・・も・・・も」
「・・・や・・・」
みたいなやつです。特に後二者の、助詞を含む文章の記述においては、並立している文の前半だけで字数の7割くらいが埋まってしまう場合があるため、前半だけ書いてあとはダラダラ字数を伸ばすとか、そういう解答の不備が結構見られるということに気づきます。
並立の関係というのは、その前半部分も後半部分も同等の価値があるとみなされ、両者とも必要な要素として説明されています。ゆえに、記述でこの助詞や接続詞が見られる場合は、必ず前半後半の両者を説明に含めるように抽象化しなければなりません。これも、解答方法を明確に技術として心得ておかなければ、時々正解し、時々間違うなど、国語の成績にムラが出てくる一因ともなるわけです。
例えば、前半だけで4割くらいしか埋まらないような抽象化を必要としない文であれば後半も含めて書くと考えられるため、難度の低めの同傾向の問題ならば正解しますし、文章の難易度が高かったり、そもそも解答の中心文を結構抽象化しなければならなかったりすると、途端に正答率が下がります。これは、理解というより解答技術がないということなのです。国語も他の教科と同様、苦手なパターンの問題をこうやって技術的に理解していくことによってムラのない点数を取っていくことが可能なのです。
そして、ほとんどの場合このような解答を作ってしまう生徒さんは、国語の文章の品詞分解ができないケースが多いです。日常生活には支障はないでしょうけれど、より高度な文章を相手に正確に読みを深めようとするならば、助詞の取り扱いに目を向けるということは必須条件となります。だから、あえて中心文を一つ一つ品詞分解して、本質的にはどのような意味が各部分に存在しているのかということまで細かく指導することもあるのです。
自称国語が得意、な生徒ほど感性による理解が相当助けている部分があって、実際は技術が伴っていないというケースも多く見られます。ちなみに、この学年には実力テストの国語で満点を取ってしまうほどの猛者もおり、前回の集団指導の生徒の国語の平均点は46点ほどです。ちなみに新中2も国語の実力テストの平均点は45点ほどです。新中1もおそらく初回実力テストの平均点は47点くらいになるだろうと推察しています。当塾、ここ最近は国語が得意な子が比較的多いのです。しかし、それでもなお国語科指導を要すると私は考えております。80字や100字クラスの記述をさせればすぐにほころびが出てくるくらい曖昧な技術で国語に取り組んでいることは問題集を解きながら明確に分かるからです。
数学や英語なんて、きっちり教科書を読んで理解し、問題集を質問しながらでも解いて反復していけばおおよそできるようになっていく教科ですから、そもそも解答を読む力とか分からないことを調べる能力とかを養っていけば大抵うまく運んでいくものです。1年間も時間があれば、レベルにあった問題集を渡してある程度ほったらかしていても結構伸びます。数学英語は時間がかかりますが、問題集をしっかり選定すればある程度のレベルまで独学も出来るのです。しかし、国語はそうではない場合が多いのです。解説に反映されないもっとしっかりとした技術的な指導を施してあげる必要性があり、単に間違った解答を赤で直して納得した気になっていても絶対に伸びない。プラスにもマイナスにもならないのです。
さて、そんな当塾の国語科指導。どんな教材を使っているのかといえば・・・それは小学生用の教材なんですね。中学受験教材。文章問題しか載っていないやつです。中1と中2は5年生用、中3は6年生用の教材を使ってるんですよ。古文・漢文は載ってないのですが。しかし、附属生や成穎の生徒は「普段解いてるウイニングよりずっと難しいしやりがいもある。」と言ってます。相手は小学生用教材だから、絶対に出来なければ恥ずかしいという気持ちと、実際この問題はかなり難しいと認める気持ちが交錯し、いい緊張感で問題に取り組めています。「将来小学生相手に指導する仕事をする人もいるかもしれないけど、高いレベルになればこの教材だって小学生相手に指導しなければいけないケースもある。だから、小学生に教えるためにはどんな考え方が必要なのかということも考えて解答に取り組んでほしい。」っていう動機付けの仕方もあります。
まあ、国語指導はかなりつよい塾だと自負してますので、得意だと自信をもって言える子のチャレンジも楽しみに待ってます。
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