「終わってんだよ。」

小学生との会話では基本的に温和ですが、

嫌いな言葉が一瞬飛ぶと途端に

冷たい言葉を発してしまう癖を

辞めなければならないのですが、

なかなか治りません。


「合格したい。」

ー「よし、頑張ろう!」

「これが苦手で・・・。」

ー「そういうのは基本ができるまで

一緒にやるから頑張ろう!」

「ここは嫌いだしつまんない。」

ー「そう思った時点で終わってんだよ。」


冷たい目で私から思いっきり

そういう冷たい言葉を言い放たれ、

悲しい表情をしていました。

私は割と嫌いな態度がはっきりしており、

生徒にもハッキリと嫌いな考え方は

どんなものかは伝えるように努めます。


「君がつまんないというなら、

今からここの単元を少しだけ

面白くなるように説明する。

それでも面白くないと思うなら、

それは俺に力がないからかもしれないね。」


そういって、基本問題集を置いて、


「では聞こう、なぜ日本の近くには

小さい魚がいて、遠く離れるほど

大きい魚がいるんだと思う?」


「この魚の性質から考えて、

最も効果的な漁法はこの中のどれかね?」


「潮目がいい漁場になるのは知ってると思うが、

なぜいい漁場になるのか、つまり、

なぜプランクトンが多く発生するのか、

想像したことはあるかね?」


漁業がすごい嫌いだということでした。


「そういうことだったんですね!!!」


これが、一体いくつ引き出せて、

一体どれくらい知識を具体的に捉え、

それが面白いと感じられて、忘れられない

知識になっていくか、ということは

小学生の間には大切なことになります。


「じゃあ、今からマグロを取るために

自分がこの中のどこかの漁港を選ぶとする。

君ならどこを選択するかね?」


「今から君はとった魚を誰かに売ることを

考えるとする。そうした時に、君は一体

どこの港に魚を下ろして売ろうと考えるかね?」


これまで、2学期の通常授業で私が

投げかけ続けてきた質問をこの子に

追体験できるように投げ続けます。


「君は、社会を何か勘違いしているよ。

こんなにも考える方法があって、

こんなにも楽しいものだ。

それを、つまんないって一蹴してしまう、

勿体無い時間を君は過ごしてきてしまった。

学校の先生は社会の専門じゃないかもしれないし、

授業がつまんないっていうことももしかしたら

あるかもしれないけれど、

どんな教科もこんな風に質問がいっぱい

学んでいると生まれるし、楽しくないものはない。

俺は、地理はここ最近一番好きな教科なんだ。」


通常講座に通っている子たちの社会科の能力は

例年でもトップクラスです。

私は本当に地理にハマってこの一年学び直しも

してきています。そもそも私は地理はすこぶる苦手で

都道府県名を全部覚えたのも大学に入ってからというくらい

苦手意識を持ってきました。

だから、どうやったら楽しめるのか、

どうやったら小学生目線で地理が理解されるのか、

すごく研究を重ねてきたのです。

そういう意味では、歴史も国語もそうです。

私は教育学部を目指していたので文系を志望しましたが、

実際は理系の方が得意であり、英語以外の文系科目は

ほとんど爆弾を抱えながら過ごしてきましたから。



特に、成穎を目指す小学生にはしっかりと

伝えておきたいことなのですが、成穎は

理科や社会の先生は特にしっかりとしていて、

結構難易度高い問題も試験の中に課してきます。

だから、小学生で理社をほったらかしっぱなしで

国語算数だけやって入学するなんていうことは

大きなディスアドバンテージを自身に

課しているも同然のことです。


私は、成穎中学校入試の理社の試験も

今後は見てみたい気持ちもあります。

この先生たちだったらどんな入試問題を

小学生に課し、どんな能力を求めるのか、

そういうことを知りたいという気持ちもあるのです。

龍谷中も理社の試験が追加されましたしね。



話が飛びましたが、

「何かをしなくても良い」とか、

「やりたくないからしない」とか、

基本的に終わっていますから、

幅広く興味を持って取り組むような

姿勢を長きにわたって育ててゆきたいと

いつも指導の時に思っています。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ