PPの現在の実力。

 さて、かつて塾に”パーリーピーポーの彼”と言われた生徒がいたことを、ブログの読者の方は覚えていらっしゃいますでしょうか?恐縮ながら、彼の成長記録をここに残しておこうと思います。(PP=Party People

 

 彼は、本当に勉強が苦手でした。数学は、(+5)+(+3)=+2となってしまうほどのヤバさっぷりを発揮していました。理由は単純でした。

 

「先生、マイナスとマイナスでプラスになるんでしょ?

そうしたら、プラスとプラスでマイナスになりませんか?

同じ理論ですよ。」

 

 どうしよう・・・と本気で考えながら+5=5、+3=3と教え、(+5)+(+3)=5+3でしょ?と指導したのがつい3か月くらい前の出来事です。そんなこんなで、国語はある程度できるものの、理科、社会、英語と全般的に壊滅しており、中1からのやり直しは必至なのでありました。

 

 そして、夏休みを迎えました。成績が伸びない子は、たいてい集中力がまずなく、落ち着きなく、そして意味もなくやる教科をコロコロと変え、できないことを次々と無視していきます。しかし、彼の根っこはそういう感じではなく、しっかり一つのことに集中し、必要な情報を収集しようとまとめを読み直し、質問をできる子なのでした。

 

 SAGAテストは、残念ながらまだ数学英語が足を引っ張りまくり、他の教科の中1中2の復習が追いついておらず、ぴったり100点にとどまりましたが、定期テストで結果が出始めました。いつも10〜30点台にとどまっていた数学・英語で50点を超え、理科も60点を超え、社会に至っては76点と躍進しました。国語はまだ未返却でしたが、今回はいつもよりできたと言っていたのでおそらくは60〜70点の間であると予測され、合計の得点アップを換算したところ、この夏で100点以上あげた計算になりました。これが、現在の彼の脚色ない実力です。彼は佐賀工業を目指していると言っていましたが、本格的に志望校が視野に入ってきました。公立ですら受けられるか心配していましたが、今は行けそうだという感覚になりました。

 

 何より、テストを受けての彼の言葉には力がありました。

 

「点数を数え上げていくのがこんなに楽しいと思ったことはありません。こんなの初めての経験でした。本当に嬉しいです。でも・・・テストの時はまだ本当にできるのか不安で焦って解いてしまったものも多くて、やり直しをする中でまだまだやれる感じがしました。」

 

 私は、この生徒を受け入れるのに多少の不安があったことは拭えません。初っ端塾にカマキリハンドルの自転車で来て、

 

「見た目からアホを晒すな。何に虚勢を張ってるか分からないけど、かっこよくも何ともない。それを次回直してこないならもう塾は辞めてもらう。」

 

と、私に激怒されたのが初回の授業のことです。今では、一週間の時間の中に彼のいない時間があると少しさみしさも感じるくらいになるほど愛着が湧くようになりました。向上心、向学心、笑顔。彼にはみなぎる意欲と、晴れやかな未来があることを暗示するような瞬間が沢山あります。

 

 前回のテストは、努力したにも関わらずほとんど順位も変動しなくて、大変悔しくて、夏休みは絶対に何とかしたいという想いを私に話していた彼。今回は、自身にとっても確かな成長ぶりを感じられたことでしょう。そして、まだまだやれるときっと思っていることでしょう。

 

 彼の成長ぶりは講師も目をみはるものがあり、自然と講師の指導の熱も高まっていることを感じました。言った言葉を片っ端から理解してくれる気持ちや能力が備わってくると、それだけ色んな面で得をするのです。ノリにノッている彼。次回テスト時はさらに点数が上がっていることでしょう。

 


kojinkai

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