小学生の、割合と比。

 ついに6年算数は図形の単元、「相似」に入りました。小学校の段階では、拡大図と縮図と呼ばれる単元にあたります。直感性をより重視する点で中学生の指導とはやや色が違っていますが、解いている問題は証明がないだけで中3の問題と同じです。

 

 例年、この単元は深く扱うか扱わないか実は迷う単元なのです。結局毎年頭の体操とか言って実力に合わせながらやっているんですけどね。中学受験の入試問題の中には、様々に図形が複合して、小学生には読み取りづらい相似の関係もあったりします。それでも、拡大図と縮図の関係を熟知していれば通塾してない子でも解けると思いますが(こういうのを本当の天才って言うんですよね・・・)、実際中3に見せてもチンプンカンプンになることが多く、小学生ってヤバいですねってドン引きされることもしばしばです。

 

 

 小学生の実力に大きく差がつく何かがあるとすれば、それは比の運用能力だと言えるでしょう。数字を扱う問題で差がないように見えても、実際模試をさせると点差が開く場合は、たいてい比や割合の問題を考えさせてみると分かるのです。そもそも、量をどう考えているのか、ということなのです。たとえば、120cmと6mと与えられて、「あ〜5倍だな。逆から見れば5分の1。」って勝手になっている子もいれば、「1mって何cmだっけ。」から始まる子もいれば、「ああ、120cmと600cmか。短いと長い。」で止まっている子もいます。これは、結構リアルな触感なのです。分数を初めて習うのは2年生なのですが、これまで低学年時から指導してきた生徒は既にこの時点で6年生の割合の問題を頭の中で解ける状態でした。彼はあまりにできるので来年度から飛び級をするのですが、既に現在の実力でも6年と遜色ないレベルです。

 

 比をめぐっては、常に低学年の時から意識を傾けつつ指導を行うことを大切にしています。そのために最も大切な単元は分数です。分数の正しい理解が、割合の理解を裏付けていくものだと考えているのです。

 

 

 先日、試しに小4の生徒に尋ねました。これは発展学習だったのですが、「4mを1本分のリボンだと考えると、1mって何本分になるだろう?」って。以後、問答です。

 

「わからない〜!」

「君たちは数え方が整数だけだと思っている。0.1本は0.4mなんだよ。0.01本は0.04m。だからね、0.2本=0.8mと、0.05本=0.2m。掛け算して確認してみよう。で、本数を数えるとそれらを合わせたら0.25本でしょ。ほら、無理やり解けた。新しい数え方を学んだから、君たちは一学年上の問題だって考えることができる。1学期にやってきた小数の仕組みっていう単元をフル活用すれば、習ったとか習ってないとか無視して、実力で無理やり解けるんだよ。君たちは、小数による”いくつ”の数え方を習っている。だから、それを活用して、とりあえずチャレンジ問題は無理やり解いて遊ぼう。(すごいゆっくり、具体的に指導しましたけどね・・・)。ちなみにだけど、分数で答えると、何分の何本になる?」

「4分の1本。」

「very good.」

 

 今年の4年の学年は、そういう意味で期待できると思っています。また、歴代最高の学年を更新していきそうな気配を匂わせています。

 

 

 話は飛びましたが、比についての扱いは、算数における量感覚の基礎です。その辺りを常々視野に入れた指導をすることで、算数の体系をしっかり意識して繋げていくことで、彼ら彼女らは頭で考える算数を楽しめる素地を作り続けているのです。代表

 


kojinkai

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