基本的に、できなかったことに対して感情の高ぶりが弱いときには、なかなか変化が起きることはありません。今日は、中3のいつものパーリーピーポーの彼が屈折の原理が分からずに、ずっとイライラしていたのが分かりました。どうもその学校の授業で休んでいたらしく、分からないままこれまで過ごしてきたらしいということが分かりました。
こういうのはイメージ力の問題なので、光を矢印ではなく幅のある光線としてしっかりイラスト化し、密度が高くて通りにくい場所があるときの動きを、そうですね、車輪モデルが一番有名ですが、”スピードが速い方がギュンと曲がる”を教えると、たちまち理解ができるところです。彼は、「それな!!!」と内心思ったことでしょう。
これは、理科や社会などの理解にまつわる単元だから良いのです。が、算数などの理解した内容を使いこなすような単元については、また別問題です。どうやっても基本通りに解けばいいのに、それがなかなか通用しない時に、イライラは増幅されていきます。
それが、ある意味快感に思えるとき、人は最も向上していると思います。そうなるトリガーは、「俺には絶対わかる素質がある」と信じているということ、「ちょうどいいを一歩すぎるくらいの問題と対峙している」ということ。教材一個あれば、指導者が横についていなくても成長するケースがありますが、条件が必要なのです。そういう条件下に置かれれば、人は何時間だって考え、時に休み、思い出したように考え続け、答えにたどり着いたりつかなかったりします。
成長しないのは、間違ったことに対して何の感想も持たない生徒です。もっと自分に興味を持って欲しいと思うのですが、順位というのはある意味生存競争みたいなもので、パックリ意欲を食われてしまっている生徒もいますから、まずは無理やりにでも働きかけて、できることを増やしていくことが必要です。
できないことにムカつける、ということは、自分の実力がこんなものではないと思い、策を講じても上手くいかず、出せる手を全部尽くした後に残る感情です。それでも悩み続け、閃きを得られる回数が多いほど、勉強していてよかったと思う感情が芽生えますし、次もまた!という感覚に至るでしょう。
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