リーサル・ウエポン。

 中3の数学が特に苦手な2名に渡している教材があります。それは、熊本ネットの「合格できる問題集 計算」です。表紙にはこう書いてあります。

 

・合格はもう無理と言われた生徒へ

 

 露骨な謳い文句ですが、生徒はすでにこれを2周し、3周目を解き始めています。私がこの教材につけた「リーサル・ウエポン」というネーミングを気に入ってくれて、

 

「今日は数学の演習!模試対策はBpal、Bpalが楽勝な数学得意な子はセレクト、君ら二人は”リーサル・ウエポン”!」

「”リーサル・ウエポン”!やってやんよ!!!」

 

 男の子は単純でよろしいですね・・・。笑 単純に薄っぺらい、簡単な努力教材、とか言うより、よっぽど強烈に教材を愛してくれているようで、家でもずっと反復していると聞きます。事実、計算能力が格段に向上し、気持ちの乗り反りってこんなに影響する?っていうくらいいろんなことができるようになりました。

 

 指導が浸透してきた頃合いで、生徒に先日言われました。

 

「先生、リーサル・ウエポンの答え、ほとんど覚えちゃったんですけど・・・覚えてしまって数学のこの教材をやる意味ってありますか?」

 

「いやいや、いつも同じ問題なのに違うアプローチをするから間違うんでしょ。前回の学力推移もそれで落としまくっただろ。同じタイプの問題は、いつも同じ解法でアプローチするんだよ。しつこいくらいに同じ方法を書き続けて体に染み込ませろよ。そうじゃなきゃ君の数学の基礎は完成しない。問題集を完膚なきまでに殲滅せよ!!!」

 

 教材選定で、とても大切なことがあります。それは、まずデザイン。開きたくなる巨剤です。次に、レベル。合わない教材はやる意味がないのです。次に、量。苦手なものほど薄く、何度も周回できた方がいいのです。最後に、教材への意味づけ。今回はネーミングでそれを助けたということです。

 

 この教材は、デザインは凡庸ですが、表紙のセリフが彼らを煽りました。レベルは平易でちょうど良かったです。量は圧倒的に薄く、この2週間で2周できるほどでした。

 

 本当にやばい時だけ出す教材です。そして、その教科が苦手で、かつど素直でハマってくれる生徒であるから意味があります。時々は、こんな指導もしています。今の中1や中2にこの教材を出しても全く喜ばずに、退屈したでしょう。もしこれを2周せよとか言われたら、塾をやめたくなるかもしれません。画一的な指導はできません。どはまりすればすごいですが、それが正義だと思うと、一気に意欲が削がれて破綻することもあるのです。

 


kojinkai

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