「変である」ことをアイデンティティにする子たち。

「最初塾入って来たとき、なんか変な人ばっかりだな〜って思ったでしょ?特に塾長が一番変だから。俺もまあまあ変だけどね!」

「う〜ん、最初は先生と一対一だったから分からなかった。」

「そうだよね、一番普通な先生と一対一だったから分からなかったよね。」

「何言ってんすか、先生・・・。」

「俺は変じゃない。君が俺を変だっていうなら、先生は普通側だったと安心できる。」

「先生うるさい!!!笑」

「わっはっは。」

 

 

 新規入塾生と、一年通って古参と言えるほど馴染んでいる小6の生徒と私の今日の会話です。学年違ってもこうやって交流がある小学部の休み時間の雰囲気は結構好きだったりします。

 

 ここ最近特に、”変”っていうのがキーワードになって対話空間を泳いでいる印象があります。普通にやるべきことはやる、ただし、面白いことを知っていたり、考え出したり、のめり込んだりできる人間のことを”変”だと定義しているようです、彼ら彼女らは。

 

 圧倒的に勉強ができるっていう状態でいたいっていう意味でも、人が分からないことを分かりたいとか知りたいとか思う意味でも、彼ら彼女らを後押ししているキーワードなのでしょう。それもどうかと思うのですが、最近になって塾の名前を決めた時のことを思い出します。

 

 

「紅一点。異彩を放つ人材育成。〜世界を取り込んでいく力を〜」

 

 

 掲げた理念、しっかり読まれて保護者の方はわざわざこんな小さくて小汚い塾に子どもを預け、どうなるかというギャンブルをしているわけです。塾なんて当たればすごいし外れればそれもまたすごい、親御さんは様々な情報を取捨選択しながらどこか一つを選んで、そして私を選んだご家庭が今まさに通っているわけです。どれだけギャンブルだったかと思うと、なかなかやな、と思うわけです。

 

 

 順調に下の世代にも面白いのが育って来ています。授業が本当に趣味に偏っているから、通常は”親潮”って答える問題があるのですが、彼ら彼女らは”寒流って対流の関係で海の底をえぐるように流れるから、生き物の死体が分解されて、栄養分が暖流とぶつかって海面上に上がって来て、プランクトンの餌になって・・・ぶつかった先は潮目で、青魚系がいっぱいとれて、え〜っと、潮の名前なんだっけ・・・”と、妙に迂回して考えて、結果”親潮”の名が出てこないとか、おかしな感じになっています。ああ、これは4年生です。

 

 こんだけ色々頭を巡っているっていうのもすごいですが、肝心のテストの点になる言葉が出てこないっていうのが玉に瑕ですね。まあ良いのです。すご〜く授業に興味を持って聞いてくれて、理由をしっかり押さえて、「これは面白かった!」と何度も説明を頭で反復し、口ずさんで遊んでいますから。それはそれですごい力が育っていると思っています。まあ、今は点になるとか考える次元で物を考えては矮小化するので、様々な現象をしっかり理解する方が先だと思っているので良いのです。

 

 言葉を覚えるのは一瞬です。しかし、仕組みを理解して説明できるようになるのには結構な時間がかかるものです。「先生の地理って理科みたい。」って言われるのが好き。まあはっきり言って理科ですからね・・・。「また理科なの〜!?」って嬉しそうに授業を聞いてくれるのが、私にとっても嬉しい。

 

 

 小学生の指導は、中学生と違ってかなり時間を使って指導できますし、自宅演習のゆとりもあるので、何を指導してもスルスル吸収されていく感覚があります。中学生は、本当に時間がない・・・。もともと変わってる子は良いのですが、”妙”の世界に到達したければ、小学生からどうぞ。すごく楽しく学習を進めていけることでしょう。

 


kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ