ハッキリって、楽しくない塾は山ほどあります。うちもその一つだと思います。生徒たちは反論し、「塾は楽しいもん!」と言いますが(私へのフォローだとしたら優しいなぁと感じますが、実に私はクールです)、私は別に決して授業内で面白さを意識したことはありません。考える道具を授けたら、さっさと応用問題を解きまくり、課題では基本をガンガン回します。その点ではめっちゃ普通の指導をしているに過ぎません。うちのような小さい塾ですら、合わないと辞めていく生徒は毎年いますし、噂を聞きつけて通塾をスタートする子も同数かそれ以上います。
”楽しい”っていう感覚は学習する内容に依存するものと思われます。楽しくない場合は、子どもに学習内容があっていないのです。例えば指導する内容のレベルが上〜下まであるとして、私が今通う生徒たちに上の授業をしたら子どもたちは一斉についてこられなくなり、辞めたくなる指導をする自信があります。子どもに準備知識もなく、難しいことをペラペラと喋り捲り、課題を出しまくります。あるいは、辞めたくなる塾を作りたいときは、下の指導をします。本当に基本中の基本のみを無意味に連打し続けます。これもまた楽しくない指導の典型で、辞めたくなるでしょう。
人が学ぶ時には、適度なストレスが必要です。大体うちに通ってくる生徒の成績帯は安定してきており、学習内容のレベルもかなり細かに調節が出来るようになりました。それが、根本的な小学部の生徒たちの”楽しい”の根源であり、私のレベル調節に他なりません。
要求するレベルは、彼ら彼女からの現在の水準からすれば、結構頑張ってもらっている方です。その辺は、お互いの信頼関係あってこそです。考える力とか、考え方とか、目に見えないものはいっぱいありますが、そこをじっくり見て、理論的に考えて、初めて指導も成り立ちますから。しかし、そんな中でもやっぱり”理論とか関係ねえ!やる気あったらなんだってできるんだ!”って言って、なんかぶっこんでチャレンジしようっていう時は信頼が重要です。同じ気持ちで自宅で頑張ってもらえないと、そんな指導ありえませんから。
塾なんていうのは、基本的に”楽しくないものだ”という前提に立って通うことを決断するのが良いかと思われます。それが、”楽しい”と思えたら儲けものくらいに思った方がいいです。指導者の力量もそうですが、与える内容も本当に多種多様です。子どもに合い、子どもが楽しいといい、進んで学習している様子でしたら、本当にそれは素晴らしい環境に出会えたと思うべきでしょう。そして、うちはそれを与えられる100%の保証はありません。たまたま、現在は親御さんが自身の子どもさんの能力を適切に見抜かれ、うちを発見され、子どもさんが毎週楽しんで通っているというそれだけの事実にすぎません。
塾は楽しくないのです。楽しいのは、学習内容です。適切なタイミングでそれを与えてくれる環境が最も良いに決まっているのです。考えたいテーマがそこにあれば、子どもは自分にないものを有り余る工夫で考えまくります。その点では、内容設定によって生徒を100%信頼できることが、お互いの健全な関係を築くのだと思います。あとは、指導者の逆算能力と、スケジュール能力が小学生の指導全体を支えているものと思われます。
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