ボキャブラリービルディング。

 小4にはかなり膨大な量の漢字に現在取り組んでもらっています。ほとんどが音読み漢字なので、同じ音の漢字も多く、しっかり意味を識別できていなければ得点化することは難しいのです。

 

 最初は本当に大変でした。「この漢字意味わからない」から始まり、対策の仕方も朧で、得点率は7割程度が標準でした。しかし、だんだん慣れてきて、この漢字とこの漢字だから、だいたいこんな意味かな?って質問したり想像できるようになり、そうやって熟語を理解できるように考え方が移行してきたのです。

 

 国語の文章題もそうですが、毎週やっていれば自ずとそのレベルに慣れてくるものです。算数だとなかなかそういったこともなく、基礎的な反復、問題ごとの解法を、各問題ごとに頭にインプットしていくことにメリットがあるので、易しめな問題の反復っていうのは重要なことの一つなのです。しかし、国語はちょっと趣が異なっており、子どもの抽象化能力を高めるにはそれなりのレベルの教材が必要となってきます。いつまでも抜き出しをやっていては、本当にちゃんと考えて国語の問題に取り組むことはできません。抜き出しばかりさせられた子どもで国語が苦手な子っていうのは本当に最悪なパターンで、ほとんど文章を読むときに何も考えていません。

 

 今、なぜこのようなレベルの教材に取り組んでいるのか。それは、そのあとに来る文章題の布石でもあります。書いたこともあり、読んだこともある漢字が文章の中で実際に運用されているのを見て、そういう意味なんだ、と朧だった理解から正確な理解へ移行できるようになること。今はこちらの方に狙いをおいて漢字の対策を実施しています。

 

 よく、国語の論説文でもテーマになっています。具体的な経験を積み上げて、その理解を元にじっくり知識をつけていくべきか、圧倒的に知識をつけ終わったああとに、その知識がどこかで運用されているのを見て納得しながら学ぶのが良いのか。実際はどちらが良いとは言えないのです。学習指導要領だって、知識に偏ったり、経験に偏ったりと数年越しに変化します。

 

 私は4〜5年生の過渡期、抽象化能力や認知能力が極まって来るこの学年において、それを鍛えていくような指導を是非したいと思い、このような教材選定によって指導方針を選択しました。

 

 まだ教材に取り組み始めてから日が浅いので、いましばらく子どもさんの学習を見守られてみてください。半年か1年後くらいには、難解な国語の文章読解の中でその多くが運用されているのを目の当たりにし、自然とボキャブラリーが強化されていくことでしょう。

 


kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ