正答率が低かった化学の問題。


 

A,B,C,D,Eの試験管の中には、それぞれ炭酸水、石灰水、塩酸、アンモニア水、水酸化ナトリウム水溶液のいずれかが入っている。試験管に何が入っているかを識別するために、実験を三つ行った。

実験1 AとDを混合したら、水溶液が白濁した。

実験2 臭いを嗅ぐと、BとEだけ臭いがした。

実験3 たまごの殻を試験管に落とすと、Bから泡が発生した。

(1)三つの実験の結果、試験管内の溶液が確定するものがある。その試験管をA~Eより全て選び、記号で答えなさい。

(2)識別できていない試験管の溶液について、どのような追加実験を行えば識別できるか説明しなさい。

 

 

この問題、実は塾の生徒の全員がミスりました・・・

一人も正しく思考できないとは・・・と、自分の指導を

少しばかり反省した日でした。

 

この問題は、きちんと整理をしないと解けないように作りました。

難易度の高低よりも、整理して正しく解こうという意識を

問う問題として作成した意図があります。

 

 

(1)の解答は、BとCとEの三つ。

 

実験1から、AとDは炭酸水と石灰水のいずれかになりますが、

それは確定しません。

実験2から、BとEは塩酸かアンモニア水となりますが、

まだこれも確定しません。

ただし、この時点で試験管Cが水酸化ナトリウム水溶液であることは

確定します。

実験3から、Bが塩酸であることが分かるので、

Eはアンモニア水だと識別できます。

よって、BとCとEが識別可能な試験管となります。

 

ほとんどの生徒はBとEだけが識別可能と答えました。

水酸化ナトリウムのことを無視して、文面に引っ張られたのです。

Cのことは何も書かれていませんでしたからね。

 

(2)の解答は、様々考えられます。

 

シンプルなのは、AとDに息を吹き込むことです。

石灰水だけ白濁します。

その他、酸とアルカリという違いもありますから、

試験紙、試験液の類を反応させれば自ずと識別できます。

ただし、(1)が正しく正答できていなければ、

2つ以上実験をしてもいいという文言の引っ掛けに

かかるという仕組みにしていました。

 

 

問題集は、基本も標準もどれも解けると自負していていも

あんまり考えていなければ今回のようなミスも簡単に招きます。

正しく解こうという意識が足りない生徒は、

このテストを機に、もっと「穴があるかもしれない」という

意識を持って思考するタイプの問題へ取り組んでほしいと思います。

kojinkai

佐賀市の小中一貫学習塾 紅人会|kojinkai 公式ブログ